コシヒカリに勝る新品種誕生
「福、笑い」(福島40号)は2006年に交配され、育種目標は品質と食味が優れた品種として福島県が開発してきた。
母方に「コシヒカリ」、父方に「ひとめぼれ」の系譜を持ち、コシヒカリより背丈が低く登熟期は同等か数日遅い傾向にある。
2018年試験栽培収穫米を用いた試食評価では、流通関係企業や消費者から高い評価をいただきました。
2020年プレデビューへ県内13生産者が栽培した「福、笑い」が、11月10日より国内25箇所の特設販売所、デパートやお米屋様などで販売が行われました。
生産者の当園へも福島県より試食用に自作玄米のご提供があり、このお米を当園お客様や応募希望者へお配りし、ご試食をいただきました。
昨年の2020年プレデビューでは県内13生産者で栽培された「福、笑い」が、本年2021年本格デビューへ県内61名生産者からなる9研究会にて、25.4haの作付けが開始されました。
粘りと柔らかさ・甘さと香りを兼ね備えた特徴ある品種「福、笑い」、今秋本各販売お楽しみにお待ちください!
先行栽培研究会の一員として
2020年3月24日
福島県やJA福島中央会、集荷団体などで構成する県オリジナル米生産販売推進本部において、今年産から先行栽培する研究会の登録証交付式が行われた。
当園もこの研究会(JA会津よつば)に登録され、県内13登録者の一員として「福、笑い」の先行栽培に取り組みます。
2020年は県内各地で栽培基準の実証検討を進め秋にプレデビュー、2021年の本格生産開始を経て秋の本格デビューへつなげていきます。
粘り甘み香りが強く、粒が大きい柔らかめの食感が特徴的な新品種「福、笑い」。
皆様お待ちください。
2020年産 先行栽培記録
塩水選〜浸種開始 | 4月7日 |
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催芽 | 4月21日 |
播種〜芽出し育苗 | 4月24日 |
ハウス育苗開始 | 4月27日 |
土壌改良剤散布、耕起 | 5月3日 |
育苗現地視察 | 5月8日 (普及所、JA) |
植え代掻き | 5月10日 |
除草剤散布(初期剤) | 5月12日 |
田植え | 5月19日 (雨上がりの曇り空) |
除草剤散布(中期剤) | 5月22日 |
除草剤散布(一発剤) | 5月29日 |
中干し | 6月25日〜7月13日 (降雨天候続き中干し不完全) |
溝切り | 6月29日 |
幼穂形成期追肥 | 7月13日 |
出穂開始(走り穂) | 8月9日 |
出穂期 | 8月13日 |
カメムシ防除 | 8月17日 |
落水 | 8月31日 |
稲刈り | 9月30日 |
2021年産 本各栽培記録
催芽 | 4月21日 |
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播種〜芽出し育苗 | 4月24日 |
ハウス育苗開始 | 4月27日 |
耕起 | 4月28日 |
植え代掻き | 5月14日 |
除草剤散布(初期剤) | 5月15日 |
田植え | 5月22日 |
除草剤散布(中期剤) | 5月24日 |
除草剤散布(一発剤) | 5月31日 |
中干し | 7月1日〜7月20日 (7月16日東北梅雨明け) |
溝切り | 7月6日 |
幼穂形成期追肥 | 7月14日 |
出穂開始(走り穂) | 8月9日 |
出穂期 | 8月15日 |
カメムシ防除 | 8月20日 |
落水 | 9月8日 |
稲刈り | 10月5日 |
機能性を追求した未来につなぐお米
「つくばSD2号」は、短稈コシヒカリと「ミルキークイーン」を用いて人工交配を実施し、DNAマーカー選抜(※1)で育成された短稈コシヒカリ低アミロース型品種である。
「ミルキークイーン」は「コシヒカリ」の突然変異により半糯(はんもち)形質を獲得した低アミロース品種である。炊飯米の粘りが強く冷めても硬くならず良食味であるが、コシヒカリ同様に稈長が長く、倒伏し易い。このため施肥を慎重に行う必要があり、収量にも限界がある。そこで短稈で作り易く収量性の高い「ミルキークイーン」型品種の育成を目指し開発された品種が「つくばSD2号」である。
食味と食感そして胴割れなどが少ない品質特性を兼ね備えていることも特徴で、内食(家庭用炊飯米)先とは違うマッチングで、中食・外食産業に高く評価されることとなった。
コンビニのおにぎり・お弁当や食堂・ファミレスなど多くの需要先に求められ、お米の国内消費量の4割以上を占める中・外食産業マーケットに適し、今後益々増えるであろうマーケットを支え行く、未来につなげるお米である。
※1:つくばSD2号は、遺伝子組み変えや一代雑種(F1種、ハイブリッド種)の品種ではありません。誤った情報に惑わされないようにお願いします。優良な稲同士で交配を行う一般的な手法により、選抜育成した固定品種です。
JA会津よつばで地区担当者から試験栽培の依頼があり、2016年より作付けを開始した。初年度は何も分からない中での試験的取り組みであったため、多肥多収栽培体系とはいかずコシヒカリ同等の収量にとどまった。
しかし、短稈であるために倒伏の危険が全く無いことを実体験でき、次年度の多肥設計への課題整理ができたことは大きな収穫であった。
この6年間の成果としては、コシヒカリより1〜2割の収量は期待でき、倒伏の危険は極めて少なく栽培しやすい品種である。ただし、多収に必要とする基肥と追肥管理は必要であり、作業軽減へ基肥一発剤で栽培体系をとることができるのか、今後の課題となる。
全量買い取りで実需先の決まった取り引きで、所得確保の安定と安心が農家へのメリットである。
昨今の天候不順でもコシヒカリより1〜2割増収がかない、倒伏しない安心感も大きい。安定所得確保への経営計画の柱としてひとつ加えることのできるビジネスモデルとして魅力を感じる。
時事変化する消費事情と米政策から、マーケットインの経営戦略も必要である。
この6年間継続生産してきましたが、マーケットの需要に応えられる供給に至っていないのが、我々の生産地の課題です。
ブランド米極上の会津コシヒカリを疎かにできない、生産者のプライドもあるのでしょう。
しかし、会津コシヒカリを超える機能性業務米として、マーケットイン市場は動いています。
この会津でこの米を産地化する動きはこれまで以上に加速化し、需要に応える生産体制をいち早く確立し均衡できるよう、働きかけていきます。
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